「君が誰かと笑うだけで」
「光を惑わす悪しき幻影よ!!時の狭間へ消え去るがいい!!アルティメット・パワーフォース!!」
ジャックのセイヴァー・デモン・ドラゴンがニセモノの3体のレットデーモンズ・ドラゴンを粉砕する。
そして、勝利して帰って来てくれたジャックを皆が囲む。嬉し涙のクロウに意地悪なんか言っちゃったりして
…いつものジャックがそこにいた。
写真を一生懸命撮るけれど、涙が次から次とあふれ出ちゃってちゃんと撮れているかちょっと心配になる。
…ううん、写真なんかまた後で撮りなおせばいい、それよりもなによりも、
これでジャックも無罪放免なんだから!!
…きっと、今頃セキュリティ本部で風馬さんの報告を聞いた
牛尾さんも御影さんもジャックの無罪と無事を喜んでいるんだろうな、なんてことを思っていると
「カーリー・渚さん」
つんつんと風馬さんが肩を叩く。
「なんですか?風馬さん」
「…えーと、大変申し上げにくいのだけど…デュエルレーンへの進入で減点です。免許証を出してください」
…そういえば、怒られた覚えがありました。
「…き、緊急事態だったから…だ、ダメ?ダメデスカ?」
「…というのは冗談です、先ほど写真撮っていた写真提供してもらえますか」
それで進入の件はチャラにします。
…でも、応援で呼んだセキュリティの人が来る前にあの車どけてください。
と、言われた。
あまりにも動揺していたのだろう、わたわたと慌てる私の姿を見て苦笑している。
「は、はい!!…こっちの端末に転送したらいいですか」
ぴっぴっと端末を操作して撮った写真を転送する。
「はい、これで全部です」
「ご協力感謝します。…貴方のおかげでジャックの無実も早く証明できそうだ」
「ですよね!!」
「貴方の記事も楽しみにしてます」
セキュリティとしてではなく、ジャック・アトラスの事を心配していた…。
俺、個人としてですけど。
俺がこんなことを言っていたのは牛尾さん達には内緒ということで、と風馬さんが笑う。
…風馬さんって結構硬そうな人だなあとか思っていたら、思ったよりも凄く親切な人だなあ。
…こうやってみると結構カッコイイし、うん、悪い気はしないなあ。
あ、そういえばジャックと風馬さんのデュエルもまだだったはずよね、
その時には呼んでもらって写真撮らせてもらおうかな…
なんてことを思いながら、ニコニコとお互いに笑いあって、ジャックの無事と勝利を喜び合う。
なので、さっぱり気がつかなかった。
「…ジャック、その顔怖いぞ」
「…嫉妬するなよ、ジャック」
「俺はいたって普通だ!!勝利に酔っているのだ!!誰が誰に嫉妬だと!?」
ぐぎぎぎぎとジャックがすごい顔で睨んでいたなんて。
「まあ、確かにいい雰囲気だけどさ、お前の事で盛り上がってるんだぜアレ…」
「だから嫉妬などしておらんと言っているだろうがあああ!!」
fin
09/11/14up
めちゃくちゃ短いですが!!とりあえず84話の素晴らしきジャック大活躍っぷりを記念してまず1本!!
欲を言えば、ジャックが無事だったことで喜ぶ牛尾さんと狭霧さん見たかったんだけどなあ
見えないところで皆大喜びしていたのだろうと思ってますぜ!!
ジャックは自分では邪険にするけど、他人のトコロにカーリーが行ったら不機嫌になるタイプだと思うんだ
という妄想を具現化した、そんな話でした(笑)
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