「その人はふたたびやってきた」
GXと5DSクロスSSの「その人は拾われてやってきた」の後日談っぽい話




半年ぐらいぶりのネオ童実野シティ、
ダークシグナーとの戦いも無事にシグナー達の勝利終わったらしいし一安心だ。
そして長く分かれていたサテライトとシティは一つになった。
いいことだ。

…来年行われるというライディングデュエルの大会の開催地なので、
そのための整備も進んで随分様変わりした。
「…んー遊星達もどっかで楽しくやってるんだろうなあー」
『…会いに行けばいいのに』
「まあ、そうなんだけどなあ」
ユベルがぼそりとそんなことを言うが、
なんとなく…そんなことをしなくても会えるような気がする。
そんなことを考えながらのんびりと商店街を歩いていると、チュドーーーンと大爆発が聞こえた。
「なんだ!?」
慌てて爆発音のしたほうを見ると…野次馬が「またかー」だの苦笑しながらも集まっていく。
なんとなく興味があって野次馬に混じって爆発のあった雑貨店…の地下を見ていると
大家らしい雑貨店の女主人が駆けつけたらしく、地下から出てきた青年がぺこぺこと謝っている。

「あ、遊星」
「…十代か?」

ぼそりと呟いたつもりだったが、遊星に聞こえたらしい。
こちらの名前を呼んで笑ってくれたけれど、すぐに女主人に再び謝り始めた。
…話しかけたいけれど、片付けもあるだろうしもう少しかかりそうだ。

結局見ているだけじゃ申し訳ないので、片づけを手伝った後にようやく落ち着いて話をすることができた。
「…恥ずかしいところを見せた」
「いやいやそんなこと無いぜ、むしろ大丈夫だったか?すごい爆発だったけど…」
「大丈夫だ、すこし作りかけのエンジンがオーバーヒートを起こしただけで
今日はマシなほうだ」
それって大変なんじゃないのかとか思うけれど、機械のことはよくわからないので
遊星がそういうのならばそうなのだろう。
そう思いながらコーヒーを啜っていると、見覚えのあるポスターが目に入った。
「あ、この大会…やっぱり遊星も出るのかー…」
「ああ、今は仕事に行っているが友人のジャックとクロウの3人で…十代は出ないのか?」
「それがなあ…友達誘ったんだけどさー…」



「ダメだろうが」
「えーーなんでさー…ヨハンはオッケーだって言ってくれたぜ?」
日本に戻ったついでに万丈目の元を訪ねてみて大会の事を言ってみるといきなりダメ出しされた。
「…万丈目、バイク乗れないとか?」
「乗れるわ!! …ライディングデュエルだと魔法カードつかえないだろう」
「え、ライフ払ったら使えるんじゃなかったっけ?」
確か、スピードワールド2に変わって結構色々変わったはずだったが
「…1000以内ならいいが、流石に2000だと厳しい。
貴様らは魔法を多用するのだから厳しいだろうが」
「あー…」
言われて見れば、そうだった。
「…フィールド魔法のネオスペースは使えないし、インスタントネオスペースも使いずらいしなあ…
スピードスペルの融合もカウンターが4いる上に、融合関係がそれだけは厳しいよなー」
「俺のデッキはまあ、やれんこともないが…ヒマ人の貴様と違って忙しいのだ!!」
「甥っ子がデュエルアカデミアの初等部入学だもんなあ、おじさん忙しいか」
「貴様も同い年だろうが!!まったく…相変わらずブラブラと放浪して…」
まあ、考えたら俺と違って全員まっとうな大人だもんなあ、
それでも、今回のような特殊なデュエル形式でなければ皆付き合ってくれるだろうけど。
「…隼人にスピードワールド対応しているネオス用のカード作ってもらおうかなあ…」
諦めきれずため息をつきながら、ライディングデュエル用ヒーローでもかまわないとか言っていると、
万丈目からチョップが飛んできた。
「あきらめんか!!」
「いってええええ!!」



「…とかあってさー
…それこそライディングデュエル用のデッキから構築しないとムリということになったからなあ…」
俺一人ならいいけど、他のメンツの分の事も考えると一年あっても厳しいだろう。
「なるほど、それは残念だな…」
遊星がそんな風に残念そうな顔をすると、
ちょっとだけ…やっぱり、出ようかなーとかいう気持ちになるが、ぐっと諦める。
「まあ、一番最初の大会の優勝は遊星たちに譲るぜ」
「ああ、まかせておけ。第2回大会楽しみにしている」
「ははは、もう先の話かよとか他の連中に聞かれたら笑われそうだなあ」
にっと笑いながら拳を出すと、こつん、と遊星も笑いながら突き出してくる。
…前に会ったときはダークシグナーとの戦いの最中だったけれど、その時よりもいい顔をしている気がする。
「んーやっぱ大会でたくなってきたぜ、ネオス用のスピードスペル作ってもらおうかなあ…宝玉獣用のも…」
「……そういうものは、作ってもらえるもの…なの、か?」
「どうだろう?聞いてみないとわかんねーけど…」
面白ければ乗ってくれて作ってくれるかもしれないが、
こればかりは提案してみないとわからない。
遊星が怪訝そうな顔をしてこちらを見ているが、笑ってごまかす。

「おーいただいまー…うわ、煤が…今日も失敗したのかー遊星―!!」
「買出しにいってきたぞ、遊星!!…誰だ貴様は」
そうこう喋っていると遊星の同居人達が帰ってきたらしい。
「どうも、はじめまして」
「友人の十代だ、近くを通りかかったらしい」
「へーよろしくなー!!」

そうして、男しかいないむさ苦しい倉庫で一晩中デュエルをすることになった。
『もー十代の馬鹿、僕をほったらかしてデュエルばっかりで酷いんだから』
とか、ユベルが拗ねていたけれど、寛大な心で許してほしいものだ。
たまにはいいじゃないか。



おわる




09/07/16up

前にアップした「その人は拾われてやってきた」の後日談的なSS。
世界観は5DSだけど十代メインなのでGXカテゴリにおいておく。
スライ君は万丈目一族じゃなさそうだよなあ、とか思ったりとか。ディヴァイン関係者っぽい予感。
十代達だとライディングデュエル厳しそうだよなあとか、ヨハンも厳しそうだし
十代がライディングデュエルしたがる話が書きたかっただけともいう(オイ)

まあでも妄想はタダだというわけでもさもさ67話見る前に妄想して書いたクロスもどきSSでした。


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