「夢の続きの続きも君と」
前世ユベルは女の子気味設定です。



「あはは!!僕の勝ちだね!!」
ガッチャ!! と借り物のオベリスクブルーの制服を着たユベルが俺の真似をしてポーズを決めている。
最初、前世の姿になってしまって少しだけ不安な気持ちだったみたいなのだが、
今は凄く楽しそうだ。
…そんな顔が見れたから、たまにはこういうのもいいだろう。
突然現れた遊城十代の知り合いという怪しいヤツにボコボコにされた後輩達には不幸なことだが。
「おーい、それぐらいにしてやれよー、そろそろメシ食いに行こうか」
「十代、ドローパンっての食べてみたいのだけど」
「はいはい」
あ、遊んでくれた十代の後輩諸君ありがとうーーとお礼を言うのも忘れずに
ひらひらとスカートを翻して楽しげに跳ね回るユベルは大変可愛い。
ご飯を食べたら翔達にも会ってみるか…?
でも、ユベルってばれたら色々問題あるかなあ…
とかそんなことを思いながら次の場所に向かう。

そんな楽しい時間もあっという間にすぎて
「あー楽しかったねっ十代!!」
「うお、飛び込んでくるなよユベル!!」
ユベルに貸していた自分のデッキの整理を住みなれたレッド寮の自室でしていると
上着をぽいっと投げ捨ててユベルがのしかかる。
俺の記憶にかすかに残る前世のコイツはもうちょっとお淑やかじゃなかったっけ?
「…借り物の服が皺になるぞー…」
「着替えさせてー十代―」
「バカ、自分で着替えろ」
近くにひっかけてあった青いTシャツを手に取り、渡す。
ちぇっと舌打ちしながらユベルが起き上がり、背を向けながら着替え始める。

大きめなTシャツから少し色の濃いなめらかな肌が見える。…綺麗で細い身体だ。
今の自分が良く知っているあの雌雄同体の異形の身体とはまた違った色香を纏わせた身体で、
そんな風な視線で見たことになんだか後ろめたいのだけど、止められないし。
なんだか…困る。
「欲情した?」
顔だけをこちらに向けながら悪魔のような微笑を浮かべてそんなことを言う。
実際、悪魔なのだけど。
「バカ」
「…素直じゃないなあ、十代は」
クスクス笑うユベルの言うとおりなんだけどさ
本当、そういう姿を見せているのが悪い。
そんなことを思いながら後ろからユベルを抱きしめる。
「…色々といいたい事とかあった気がしたけどさ…やめておくよ、
それに今はこれぐらいで十分だ」
「バカだねぇ十代は」
もっと求めてくれてもいいのに、
僕は十代を愛しているから、どんなことでもされてもいいのに。
そんなとんでもないことを言いながら
抱きしめられているままの体勢で器用にこちらを向いて、唇を重ねる。

もしもの世界があって、もしもユベルが普通の人間のままで、
もっと、普通に出会えていればどういう関係だったのだろう?
ふと、そんなことを思って始まった奇妙な一日だったのだけど。
かすかな記憶に残る清純なイメージはぶち壊しまくりのはちゃめちゃな一日で
自分の想像と違う。どうしてこんな風になっちゃったのだろう?
…俺の所為か。
頭を抱えつつそんな風に自己完結しながら、この悪魔め。とか心の中でぼやくと
そういう君はそんな悪魔も手玉に取る覇王様じゃないかとユベルが笑う。
…仕返ししてやる。ユベルが悪いんだからな。
ギシリとベッドが軋む音と、「え、ちょっ十代っ…ん…っ!!」とか少し焦った声が聞こえたけれど


無視しておくことにした。


09/04/20up

ユベルと十代がいちゃい(略)第2弾。
…いかがわしいのを狙って大失敗しました。
オベリスクブルー女子制服なのは趣味です。
多分十代と一緒のレッドのがいいー!とワガママ発動したに違いない。

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