「もしもの130話」
『まさか僕を忘れてはいまいね、本当に忘れてしまったのかい?この僕の瞳を…』
マルタンから出てきたアイツは…アイツは…!!
「…ユ、ユベル…?」
『やっと思い出してくれたようだね…そう、僕の名はユb』「ユベルーーーー!!」
ユベルに向かって走りだす。
あいつはユベル、俺の昔のフェイバリットカードで、
ちょっと病んでてすぐに俺がデュエルに負けたぐらいで人を傷つけるヤツで
…そんなアイツを反省させるために俺は宇宙に送ったのだった。
「ユベル!!お前無事だったんだな!!…お前のカプセルは燃え尽きたって言われて…!!」
『え、え…十代、僕の事を…忘れて…』
「忘れるわけないだろ!?…でも、マルタンの姿だったからわからなかったんだ…!! 」
『ああ、十代!! それはそうだね!!確かにわからないよね!!』
動揺しているユベルを畳み掛ける。
「そうだよ!わからないよ!!…気がつかなくてごめん」
『……十代!! 』
ユベルが感動して涙目だ。
だけど、これだけははっきり言っておかねばならない。心を鬼にする。
「また人に迷惑かけやがって!! …どうしてこんなことをしたんだ…」
『だ、だって…こうしないと十代に僕の愛をわかってもらえ…』
「バカ野郎!!…そんなややこしい伝え方じゃわかんねえよ!!
…それに、こんなことはしたらダメだって…俺、言ったよな?」
ギロリとにらみつけると、「ひいっ覇王の力に目覚めたの!?」だの
なんだかよくわからないことをいいつつユベルがびくっと体を強張らせる。
本当、こいつは変わってない。
…デュエルで負けてしまったときに直接相手に危害を加える頃から変わってない。
お仕置きしたつもりだったのだけど、あまり反省はしていないどころか悪化したなあ…。
『…ごめんなさい…だから嫌わないで〜〜!!』
怒られてしゅんっとなっているユベル。どうやら反省してくれたようだ。
もうこれぐらいでいいだろう。
「…嫌いになるかよ、俺こそ…ごめんな」
『ひうっ…ぐすっ…じゅうだいいいいい〜』
「どうして今まで気がつかなかったのだろう。
よく考えればお前だって気がついたはずなのに」
今、全てを思い出した。
そう、俺とユベルはずっと遠い昔からずっと一緒だった。
…どうして、忘れていたのだろう。
ほら、おいでと手を差し伸べる。
震えるユベルの手を掴んで…引き寄せて抱きしめる。
『十代…ようやく僕の愛が君に届いたんだね…!!』
「俺はお前を愛している!! 俺の愛は君だけのものだっ!!」
『ああっそのセリフは!!前世の事も思い出してくれたんだね!!十代――!!』
「ユベル!!」
『十代!!』
『今、僕は君の愛に包まれているんだねーー!!』
…こうして、十代の愛によりユベルは改心して、
俺達は元の世界に戻ることが出来たのだった。めでたし、めでたし。
…一部を除いて。
ひしっと抱きしめあう二人に外野のレイとオブライエンが呆然としている
そして
「納得いかねえよーー!!俺のレインボードラゴンの活躍は!?
オーバードライブは!?デュエルしようよおおお!!」
…ヨハンがデュエルを中断されてじたばたと暴れていた。
おわっとけ!
09/05/16up
130話で全部思い出して受け止めてたらこんなカンジに…
…なるわけは無い。
とか妄想しながらぽちぽち書いたギャグ。
基本的にユベルと十代がいちゃいちゃしているものが!!とか思って
心の赴くままに書いたらこうなったのです。
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