「異世界のフリル王子様」
「…俺の服とデュエルディスクが異世界に取り残されてる…」
ハードな皮っぽい素材でベルトで締めまくり、カードケースやデュエルディスクはトゲトゲで、
どこのヘルカイザーですか?という格好のヨハンがしくしくと呻く。
「ドンマイ!!ヨハン!!…その格好もナカナカCOOLさ!!」
「…いや、この格好をクール?…違うような…」
きらりっとジムが笑顔を見せながらヨハンの肩を叩く。
オブライエンはぼそりとツッコミを入れるがジムには意味がわからない。
「換えの服は無いのかい?」
「あー…そっか、こっちに戻ってきたのなら普段過ごす用の服ぐらいはあったかなあ?」
まあ、制服の上着に関しては諦めるしかないけれど。
本校でまさかここまで長く過ごすとは思っていなかったので制服を2着も3着も予備は持ってきていない。
アークティックに戻ってからになるだろう。
「…んじゃ、ブルー寮に行って着替えてくるよ」
「早く着替えて戻って来い、今後の件の話もあるだろう」
「残念だ…COOLなのに…」
ジムはやたらと残念そうだった。
…だから
そっかーこれ、かっこいいんだーとかウッカリ思ってしまったのだ。
久しぶりに戻ったブルー寮の部屋で鏡の前で自分の姿を見てみる。
こういう格好は元々趣味ではないのだけど、確かにかっこいいかもしれない。
なかなかユベルはセンスいいかもしれない。
このトゲトゲカードディスクもこの格好にあっていて素敵だと思えてきた…が。
「こう、フリルでもあればいいのになあ…」
口に出してみて、そうだ!! フリルが足りなかったんだ!!と違和感の原因を突き止める。
今でもかっこいいのに、フリルを足せばさらにカッコイイに違いない!!
でも自分では上手くアレンジできないかもしれない…
「あ、吹雪さんに相談してみよう!!」
あの人ならいいアドバイスをしてくれるに違いない!!
不幸だったのは、家族である宝玉獣達が十代に預けたままで誰もヨハンを止められなかったことだった。
普段ならツッコミを入れる翔や明日香達は十代が戻ってこなかったショックでそれどころではなかった。
…唯一ツッコミを入れようとしたオブライエンはノリノリの吹雪やジムに勝てるわけがない。
ちなみにエドは面白がって放置をしていた。
…そうして、事態は悪化した。
異世界から戻ってきて一週間後…とうとう、十代が戻ってきた。
翔からの知らせを聞いてレッド寮にヨハンは急いで走った。
やっぱり帰ってきた。
絶対帰ってくるって信じていた。
十代にあったら最初になんて言おう?ありがとう?おかえり?どっちがいいだろう。
レッド寮が見えてきた頃、ちょうど十代がレッド寮から出てきた。
「おーい!!十代――――!!」
叫ぶと十代が笑顔でこちらを振り向いた…
が、
その笑顔が凍りつく。
凍りつく十代の視線の先には、満面の笑顔でこちらに駆け寄る異形のフリル王子がいたのだった。
「ヨハン…?ヨハンなのか…?フリルだけど暗黒使徒…?」
「へっへーカッコイイだろー!!新しい制服が出来上がるまでの仮の服なんだけどなー!!」
「…う」
「う?」
嘘だああああああ!!俺のヨハンが壊れたあああああ!!
夜空に十代の叫びがこだまする。
その後、十代はフリルがフリルがと一ヶ月ほど悪夢に魘されることになったが…無理もないだろう。
*
十代(と、ユベル)は後にこう回顧する。
「…いやもう、最初見たとき…ヨハンは異世界でユベルに体を乗っ取られたのが原因で
ちょっとおかしいのかなとか思ったよ…」
『失礼だね十代!!僕の所為じゃないよ!!僕のセンスはもっといいよ!!』
「後で聞いたら吹雪さんの仕業だって聞いたから納得したけどさ…」
けどさー…
ボンテージにフリルってありえねえよなー…
もうおわり
09/06/05up
3期ラストにあのまま帰還してしまったヨハンを見て
…あの後どうやって過ごしたのかなあ、とか
フリルがあればあのままアレ着てそうとかいう妄想を形に…しなきゃよかった?
こんなネタSSかいてますが、ヨハンは大好きです、本当だよ!!
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