「木星の衛星イオからこんにちは」
本編35話の攻撃力0モンスターカードの井戸の中にもしもユベルがいたらの話が第2期突入
万丈目の兄ちゃん達がこのデュエルアカデミアを買収しようとして、
それを阻止するために万丈目が選ばれた。
ここのオーナーさんがハンデとして出した条件を満たすために、
万丈目と共に行った棄てられたカードがあるという井戸で、
俺は攻撃力0の精霊の親玉にして、俺の事をずっと待っていた、というユベルと出会った。
その後、昔、悪いことばかりするユベルを宇宙に送って反省させたことを思い出して…
ユベルは俺の元にいることになったのだけど。
『宇宙は無より生まれて、光と闇とにわかれた…光はいずこかへ消え、闇が宇宙を包み込み、生命を育んだんだ。
だけど、いつか圧倒的な力を持つ破滅の光が優しい闇を侵略するために瞬き始める…、
その時光の波動を退け、優しい闇を守るための力が必要なのさ、
そして、その力…覇王の力は君の中に眠っている…、ということなのだけど』
「…ぐごー」
『じゅううううううだあああああああいいいいいいい??』
「…っは!!ごめんユベル…あまりにも長いし、わけわかんねーし、寝ちまった…んだけど…
えっと、うん、ごめんなさい。」
最初は笑ってごまかそうとしたけれどユベルの顔が怖い、怖すぎる。
素直に謝るとユベルが何度目かの大きな溜息を零して項垂れた。
『…僕、そんなに難しいこと言っているかな…?うう、王よ…僕は挫けてしまいそうになります…』
「…あは、あはは…いや、うん、宇宙がどうとかすげえ壮大すぎて…」
『あのねえ君、つい最近あの影丸とかいう男と戦って三幻魔を倒して世界を救ったじゃないか!!』
そう言われれば、そうなのだけど。
「でもさ、影丸のじーちゃんは目的とかすごいわかりやすかっただろ?
破滅の光は何が目的で宇宙を壊すんだ?」
『…それは…破滅の光だから、そういうものだから、としか言いようが無いのだけど…』
ユベルもうーん考えた事も疑問にも思わなかったとか言いながら首をかしげている。
「それに俺にそんな力なんか無いって三幻魔の時も…
大徳寺先生の残してくれたカードのおかげで、ヒーロー達のおかげで勝ったんだし…」
そう、俺には何も力が無い。
いやまあ、精霊とか見えるわけだけど、それだったら万丈目とかも、隼人もということになる。
それにだ、そんな凄いことをするのはあの人だって決まっているのだ。
「世界を救うとかいうのなら、絶対遊戯さんだって!!
…だって、史上最強のデュエリストだもんなー!!」
『うーん、それはどうなのかなあ』
「ユベルは遊戯さんに会ったことが無いからそんなことを言うんだって!!
遊戯さんに会ったらお前も納得してくれるよ!!
というわけで破滅の光から世界を守るのは遊戯さんに任せた!!
俺は楽しくデュエルしたいぜ。
…ああいうなんか、重いデュエルはちょっと、なあ…」
脳裏に浮かぶのはセブンスターズや影丸理事長とのデュエルの事、
命のかかったデュエルもあった、真剣な戦いばかりのデュエルだった。
それはそれで、楽しかったわけなのだけど、
「…やっぱり、難しいことは無い楽しくワクワクしたデュエルがしたいな」
『…十代』
俺の言葉に
『…そうだね、あんなデュエルは嫌だよね…十代も随分傷ついたよね…ごめん、役に立てなくて…』
「そんな事無いって!!俺こそ、お前の事使いこなせなくてごめんな…
いつかぜーったい、お前が大活躍するようなデッキ組むから!!」
そう言ってユベルの頭を撫でる仕草をすると、ユベルがかすかに微笑んでくれた。
『…ま、そこはほどほど期待ということにしておいて、
今はそれぐらい暢気なぐらいでちょうどいいかな。
…それでも君には覇王の力が眠っているんだから、そこのあたりはちゃんと理解してもらうからね?』
「うえええーー!?そんな難しい話もう嫌だよー!!
ほら!えっと!!新入生の中にプロデュエリストがいるんだって!!そいつと俺戦いたいし!!」
『ふふふ、楽しいデュエルが出来るといいね?…でもそれとこれとは別だから』
「やだー勉強いやだーー!!破滅の光なんてこねーよー!!」
*
『…とか、あのプロデュエリストとのデュエルの前に話していたよね…
ほらみろ、破滅の光が動き始めてたじゃないか…』
『く、くり〜〜』
何故か海があって、イルカが泳いでいるとかそんなどう考えてもおかしい空間で
傍に落ちていた貝殻をぼちゃんと海に投げ入れながら、憂鬱な気分に浸っていると、
ハネクリボーが元気をだせ!!とばかりに一生懸命励ましてくれている。
うう、十代もそれぐらい優しかったらいいのに、
るるるーとか憂鬱な気分で、暑苦しい説明をしているイルカと十代を見つめる。
彼らは僕のことなんて気にしないで話を続けている。
『宇宙は命を育む優しい闇の世界だった、だけど今!!宇宙は破滅の光によって滅びようとしている!!
我々はその破滅の光と戦える正しき闇の力を持つ者を探して、君に白羽の矢を立てたんだ!!
君は選ばれたヒーローなのさ!!』
「うおーなにそれかっこいい!!…すっげーわくわくしてきたーー!!」
びしっとポーズをつけるイルカ型宇宙人もとい、
ヒーローの姿に十代がぱあああっと嬉しそうな笑顔でぴょんぴょん跳ねている。
『だああああ、どうしてだよ十代のばかああああ!!ばかああああああ!!
僕が同じ事を説明したときには寝てたくせにーーーうわーんばかばかばかばかー!!
っていうかおまえら、十代が小さい頃に描いたラクガキだろっ!!』
『やあ、ユベル!!久しぶりだね!!』
むきむきっと筋肉をムダに見せびらかすイルカ…
アクアドルフィンが馴れ馴れしく笑顔を向けてくるのがむかつく。
「え、お前ら知り合いだったのかよ!!」
『というか、一緒に宇宙を旅した仲間だね!!』
「うわーすっげーユベルいいなー!!」
きらきらきらと瞳を輝かせて十代がイルカと僕を見る。
まあ、確かにそうなのだけどね?…まだ思い出していない記憶があるみたいだね。
海馬コーポレーションにイラストを応募して採用されていたときのこと思い出してくれないかな?
とっても大事なことなんだけど。
ついでに、前世の事も思い出してくれないかなーなんて思っていると。
…あ、そういえば、まだネオスペーシアンいたよね…銀色のやつとか、モグラとか、鳥とか、
これから集まるであろう暑苦しい宇宙人ヒーロー達の顔ぶれを思い出して
ああもう、どうにでもしてくれよ、という気分になってくる。
『さあ十代!!ネオスペーシアンの仲間達と共に破滅の光と戦おうじゃないか!!』
「おー!!」
…そのポジションは僕のものだったのに
僕が十代を守って、十代と共に破滅の光を倒すために戦うはずだったのに。
『…忌々しいネオスペーシアンめ…ロケットで打ち上げられたあの時に消しておけばよかったよ…ッ』
まあ、隙があればそうしてやろうか?
でも今はせいぜい破滅の光から十代を守るための盾になってもらわないといけない。
とても悩ましい。
とか考えていると、
「ユベルーこっちこいよー!!…お前も俺達と一緒に戦ってくれるんだろう?」
どうしたんだよ?と僕の十代が可愛い笑顔を見せて首をかしげて僕をみていた!!
『何言っているんだい、当たり前だろ?…ああもう十代可愛いよ十代っ!!愛しているよー!!』
「うわ!! こら、くすぐったいだろー?もー仕方ねえなー」
そう言って十代は僕を突き放したりはしないで、好きにさせてくれる。
…だから、十代が悲しむから、あいつらの事は許してやることにしよう。
今は許してあげる。…今は、ね?
『…くり〜〜…』
『ハネクリボー、僕のどこが凄く邪悪だって?悪魔族だからって酷いじゃないか』
『くりっくりりいいーー!!』
焦ったハネクリボーが急いで十代の影に隠れる。
あ、ずるい。
『…我々はとんでもないヤツと手を組んだのだろうか!!』
『あー、大丈夫よ。ユベルはいつもああだから、気にしないで頂戴』
『バーストレディの言うとおりだ。…まあ、君らもすぐに慣れる』
ネオスペーシアンとエレメンタルヒーロー達が溜息とか愚痴とか不安とか零している。
聞こえているんだよ!!…後で覚えてろ。
『十代―!!頑張って破滅の光を倒そうねーっ!!』
「おうー!!がんばろうぜーイエーーイ!!」
ギリギリと拳を握り締めながら、十代の隣で笑う。
うふふ、うふふふふーとか木星の衛星イオでそんな不気味な笑い声が響き渡って、
後々、ヒーロー達が『破滅の光より怖かった』『倒すべきはあっちじゃないか?』
とか、議論をこっそりしている。
その後、破滅の光は容赦なくユベルのやつあたりナイトメアペインされたのだが、
その時のユベルの顔は破滅の光に操られた斎王並に凶悪な笑顔だったらしい。
もうどちらが正義の味方なのかわからないぐらいの有様だったらしいが、
十代はまったく気が付かないで満面の笑顔だったそうな。
三期はないまま終わる。
ダークネスがこちらをみている!デュエルをしますか?
ニア 全力で行くぜ!!俺とお前、どちらかが消し飛ぶまで!!
ぶったおしてもぶったおしても!
ネオスとユベルを超融合!!ネオスワイズマン!
10/08/06up
ゆるゆるラブラブ「井戸の中からこんにちは」2です。
2期最終回付近を見ていて、ネオスが頑張ってるところを見ていて、
もしもユベルがいたらあそこだろうなーんで、光の結界で十代十代じゅううだあああいい〜とか消えちゃうんだろうと
そんなことばっかり考えていたので形にしてみました。
でもこうなると3期ないね!!確実に4期にぶっとびます!!覇王様出番なしですそれはダメじゃね!?
ダークネス編が3期並に長くなることでどうにか解決するでしょうか!!
まあでも、ユベルのところをダークネス藤原に置き換えるだけでどうにかなるような気がしました。
覇王様覚醒のあたりとか、死んでるけど死んでないとか。
書く予定はありませんがポワポワ妄想なのでした。
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